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上澤 伸一郎; 小泉 安郎; 柴田 光彦; 吉田 啓之
第54回日本伝熱シンポジウム講演論文集(CD-ROM), 8 Pages, 2017/05
東京電力福島第一原子力発電所事故時の海水注入が伝熱流動へ与える影響を、その物理現象を含めて理解するため、海水及び蒸留水を用いてプール核沸騰実験を行い、プール核沸騰素過程に与える海水の影響について検討した。その結果、海水を用いた場合、沸騰核が減少した。この沸騰核の減少は、沸騰や二次気泡の形成、及び熱伝達表面の過熱度の増加に影響を及ぼすことを確認した。また、濃縮された海水では、海水塩析出層が伝熱面上に形成され、その厚さの増加に伴って熱抵抗が増加し、加熱面上の沸騰による冷却性能が大幅に低下することで、伝熱面が焼損することを確認した。これは、蒸留水での伝熱面焼損とは異なる物理機構であり、海水の場合は蒸留水よりも低い発熱量でも伝熱面が焼損する可能性がある。